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DTPソフトを用いて雑誌や書籍、チラシ広告やポスターなど、紙媒体の印刷物を美しく、かつ読みやすいようにレイアウトや画像処理を行うのがDTPデザイナーです。文章、ページタイトル、見出し、写真、イラスト、説明図、表、グラフなどの要素を、見た目だけではなく、読者にとって読みやすく必要な情報が効果的に読み取れるようユーザビリティに配慮しながら、レイアウトを考えなければなりません。特にチラシなど集客効果を求められる制作物においてレイアウトによる効果や印象はとても大きなものになります。自分の手がけた印刷物が多くの人の目に触れ、広告として反響や効果に繋がったとき、大きなやりがいを感じられる仕事です。
グラフィックデザイナーがグラフィックを作りこむ職業であるのに対し、DTPデザイナーはDTPソフトを用いて全体的なレイアウトをデザインするのが仕事です。またよく似た職業として画像の修正・加工などを専門に行うDTPオペレーターがありますが、企業によってはDTPデザイナーがその役割を兼任している場合もあります。
レイアウトによって広告の効果を左右するDTPデザイナーの仕事の流れを紹介します。
クライアントとの打ち合わせで要望やビジョンを聞き出し、それを踏まえて全体の方向性やデザイン案をまとめます。 その後、クライアントへプレゼンテーションを行い、必要であればラフデザインを提出し方向性をすり合わせます。
企画書の内容や提供される情報の取捨選択をしながら文字・画像のバランスを整え、デザインやレイアウトを決めていきます。また文章で分かりづらい情報やデータはグラフや図にして視覚的に分かりやすく表現していきます。
DTPデザインが完成したら、印刷会社にデータを入稿し、校正と呼ばれる「試し刷り」をもらいます。 ここで想定していたデザインや色味を見たり、版ズレ、写真違い、文字など入念にチェックを行います。修正や補正が必要な場合は修正箇所を伝え、再度試し刷りを出してもらい校正を繰り返します。
校正が完了したら印刷会社に印刷を依頼します。その後、裁断、加工を経て制作物が納品されます。
DTPデザイナーに特に必要な資格はありませんが、Illustrator・Photoshopなどのグラフィックソフトやレイアウトを作る上で欠かせないInDesignやQuark XpressといったDTPソフトのスキルが求められます。まずはデザイン系専門学校や美術系大学でデザイン理論やレイアウト、色彩や印刷知識などの基礎を学び、広告代理店や印刷会社へ就職するのが一般的とされています。そこでアシスタント的な役割のDTPオペレーターとして経験を積みながら、DTPデザイナーを目指します。DTPデザイナーとして実績を重ね、グラフィックデザイナーのように様々なデザインを手がけ、仕事の幅を広げていく人もいます。
仕事をする上でクライアント、ライター、DTPオペレーターなど多くの人と関わるためコミュニケーション能力は欠かせません。チームで連携を取りながらスムーズに作業を行う上で協調性や社交性も重要です。
印刷物はプリンタで印刷したものとは異なり、CMYK4色のインクの掛け合わせによって色を再現します。同じ黒でも、黒単色で印刷したものと黒に他の色を乗せたものでは質感がまるで違って見えます。こうした印刷物ならではの特性について知っておかなければなりません。
印刷物の大きさによって1ミリ単位で文字や写真の配置を細かく修正することもあります。緻密な作業が続く中でも集中力を保ち作業を続けられる根気強さが求められます。
DTPデザイナーに特別求められる資格はありませんが、より良い作品を生み出すために学習しておきたいことや、即戦力として働く上で有利になる資格はあります。全体の構図、写真やフォント、配置や配色など、デザイン知識だけでなく、出版物に関する広い知識や、印刷ルール、製版関連の専門知識も必要になります。また、デザインに携わるクリエーターとして日頃から幅広い分野を意識し、様々なものに触れ、新しいモノへの関心など時代の流れを察知する情報感度を高め、美的センスを磨くことが大切です。
ブランドや商品の魅力をデザインするスキルを身につけます。また、イラストの高い描画力とオリジナリティを育てます。