用語集

Society 5.0

Society5.0という言葉を知っていますか?
ときどき耳にする言葉ですが、どんな意味なのか知っている人でもなかなか説明の難しい言葉ですよね。
ここではSociety5.0についてなるべく分かりやすく解説していきます。

Society5.0とは

Society5.0は日本政府が提唱している、これから目指すべき未来社会のコンセプトのことです。
国の定義では「サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」となっています。
わかりやすく説明すると、AIやロボット、IoTのような革新的技術を社会に取り入れて人間がより暮らしやすい社会を目指そうと言う取り組みです。似たようなものにドイツの提唱する「Industry4.0」、中国の「中国製造2025」、アメリカの「先進製造パートナーシップ」などがあります。

 

Society5.0の“5.0”は一体何なのか?

Society5.0というのは、人類史における現在までの社会形態をSociety1.0~4.0の4段階と捉えたとき、その先にある5段階目の新しい社会と考えられています。

  • Society1.0 狩猟社会
    小さなコミュニティを作り集団で狩猟採集生活をしていた時代
  • Society2.0 農耕社会
    定住し農耕生活をするようになった時代
  • Society3.0 工業社会
    産業革命によって工業化の発展した時代
  • Society4.0 情報社会
    情報が価値を持ち社会に与える影響が大きくなった時代
  • Society5.0
    これから生み出す新しい社会

Society5.0が目指す新しい社会とは?

Society5.0で目指す社会は経済発展と社会的課題の解決を両立できる人間中心の社会です。
社会問題を解決するためには経済的な損失を許容しなければならないことが多く、二つの両立は難しい課題でした。
しかし、ICT(情報通信)技術のもたらす効率的な解決策であればその両立ができる可能性があります。
例えば、AIやIoT、ロボット、ビッグデータを活用し、分野を超えた情報や知識の共有、無人化技術による地域格差の克服といったイノベーションが期待されています。また、各種センサーの導入によってフィジカル空間(現実空間)のデータをより詳細に集めることで、高付加価値のフィードバックを得る「サイバー空間とフィジカル空間の融合」なども目的としています。
高度な情報化とAIやロボット技術を組み合わせた超スマート社会がSociety5.0です。

Society5.0で実現する新たな価値の事例

農業: 農作業の自動化、省力化

無人トラクターのような無人化技術によって、高齢の農業従事者の負担減少や担い手不足の解消、食料の安定供給や増産を可能とします。他にもAIを活用し、天気予報や河川情報をもとに水質管理の自動化を実現するシステムなどがあります。

交通: 自動運転や混雑解消

自動運転技術によって運転をAIに任せられるようにすることで、交通事故の減少や移動ルートの最適化による混雑の解消などが期待されています。また、無人バスによる過疎地域の移動手段の確保や効率的な移動による温室効果ガス(GHG)の削減効果にも役立つと考えられています。

医療・介護: 健康促進による社会的負担の軽減

AIやロボットを利用した生活支援や健康管理によって自立した生活が長く続けられる環境をつくったり、医療データの共有による治療の最適化などがあります。介護分野では介護ロボットの支援による介護士の負担軽減などに期待が寄せられています。

エネルギー: エネルギーロスの少ない効率的な社会

再生可能エネルギーのような持続可能なエネルギーの活用や蓄電技術の発達によるスマートグリッドの実現などで温室効果ガス(GHG)の削減を実現。AIを使った的確な需要の予測によるエネルギーロスの少ない送電システムなどが挙げられています。

スマートグリッドスマートメーターを使い正確な電力需要の把握をすることで無駄なエネルギーの生産を減らす。
また、双方向の送電網の整備によって、再生可能エネルギーのような地域の電力リソースの活用などもおこなう。

防災: 迅速な避難や救助

個人のスマートフォンに避難情報が提示され、迷わず安全に避難所まで移動ができるようになったり、アシストスーツや救助ロボットによる迅速な救助などが想定されています。

Society5.0を支えるとされているのはどんな技術?

自動運転システム

人間が操作しなくても自動で乗員を目的地まで送り届けてくれる技術です。
自動運転のレベルには1から5までの5段階があり、現在はレベル3(運転手の監視付きの自動パイロット)までの承認がおりています。国のロードマップでは2025年にレベル4(高速道路での完全自動運転)の開発を予定しているなど少しずつ実現に近づいている分野です。

3Dレーザースキャナー

3Dレーザースキャナーはスキャナー周辺の地形をスキャンすることで、詳細な地形データを取得することができる機器です。自動運転システムや無人農耕機械では周辺の情報を把握するための機器の一つとして3Dレーザースキャナーを搭載しています。

Society5.0 for SDGs

SDGs(エスディージーズ)とは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のことです。
17のゴールと169のターゲットから構成されており、飢餓や貧困のような主に発展途上国へ向けたものだけでなくエネルギー、成長・雇用、イノベーション、気候変動のような国際社会全体に関係のある内容を包括したものとなっています。
近年、開発の持続可能性というものに注目が集まっており、2020年のダボス会議では「ステークホルダーがつくる持続可能で結束した世界」がテーマとして採用されました。 Society5.0で掲げる理念はSDGsと重なる部分も多いので最近では「Society5.0 for SDGs」として、Society5.0の実現を通じたSDGsの達成を目指す動きも起きています。

ダボス会議世界経済フォーラムがスイスのダボスで毎年開催している年次総会。
世界各国から首脳や経営者があつまり、社会問題などさまざまな議論をおこなう。


参考リンク:SDGsとは?──外務省

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