IT MAGAZINE

スコットランドの新たなIoTプロジェクト、地方道路をポットホール・フリーに。

投稿日 2022年8月5日
thumbnail

IoT先進国スコットランドにある共同事業体は、長年問題視されているイギリスの交通インフラを改善すべく、地方道路の状況をリアルタイムで監視するIoTセンサーネットワークの開発を進めている。

スコットランド・ダンファームリンに拠点を置くスタートアップ企業DigiFlecが、スコットランド政府によるアクセラレータプログラム「CivTech 6」の一環として、センサー技術やイメージングシステム、IoTテクノロジーのイノベーションセンターであるCENSIS、政府機関「Forestry and Land Scotland(FLS)」と協力し、交通ネットワークの管理インターフェースを開発するという。

IoT対応センサーによるリアルタイムデータを取得

この管理インターフェースは、交通ネットワークのデジタルマッピングと、FLSの交通ネットワークからライブデータを取得するために展開されたIoT対応センサーを組み合わせたものです。データには道路の温度や湿度、排水用水路の閉塞の可能性などが含まれており、全ての道路の状況を事細かく把握することができるという。

また、FLSの交通ネットワークには、洪水や浸水によって崩れやすい地方道路を含む、スコットランドのを地方道路の大半カバーする約1万キロに及ぶデータがあり、道路状態の正確なリアルタイムデータを取得することで、不測の事態対して意思決定を容易にすることが期待されています。

そして、取得するデータにはリアルタイムのものと、道路状態の長期的な変化を含むデータが含まれているので、道路整備のスケジュールなどより適切にリソースを割り当てるための決断を下せることも可能となります。

時間と費用を大幅に削減することが可能に

DigFlecのディレクターであるSteven GIllanはこう述べています。

「地方自治体や土地の所有者は、道路状況に関する情報が不足しています。その理由のほとんどがデータ収集にかかる時間と費用です。今回のシステムを導入すれば、どこにリソースを集中させるかという意思決定の手助けとなります」

「スコットランドには、重工業からサービス業まであらゆる事業が展開している地方が存在し、住民と共に道路を利用しています。交通システムは日常生活を送るコミュニティに対しても、様々な事業に対してもニーズに応える必要があります。DigFlecが提供する新システムは、交通インフラを誰にとってもより良い経験にするための鍵となるでしょう」

 

現在、開発中の管理インターフェースは商業段階前にあり、実現が可能であることは実証されているという。このシステムの実用性が証明されれば、スコットランドをはじめとするより多くの世界・地域で導入され、世界の交通ネットワークシステムが新たな時代に突入するでしょう。

 

CivTech 公式サイト

 

ARTICLE

アイコン

IoTの記事一覧