IT MAGAZINE

AIによる衛星マッピングシステム、ハリケーンの被害状況を自動で検出

投稿日 2022年10月10日
thumbnail

先日、ハリケーン「イアン」が風速150マイル/時(約67/秒)という凄まじい勢いでアメリカ・フロリダ州西部に上陸し、甚大な被害をもたらした。

そんな中、コネチカット大学の教授らは、ハリケーン「イアン」による被害状況を約84%の精度で検出することができるAIマッピングシステム「CONUS Disturbance Watcher」をThe Conversationにて発表しました。

このシステムは、ハリケーンが上陸する前の衛星画像とNASAとアメリカ合衆国が運営している4つの衛星センサーからのリアルタイム画像、そして人工知能を利用し、30mの解像度で災害の被害状況をマッピングできる。

また、衛星データは継続的に更新され、より迅速に災害被害状況データを表示し、将来的には全国に展開することが可能だとしている。

人工知能はどのように被害地域を検出するのか

すでに衛星データは洪水や山火事、地滑りなど災害が起こるリスクが高い地域を特定するのに利用されてきたが、その大半は最新の衛星画像のみを頼りに災害のリスクを監視していることが多い。

しかし、CONUS Disturbance WatcherはAIがハリケーン前の衛星画像とリアルタイムの衛星画像を自動的に比較し、広範囲の地域で被害状況を特定することができるとし、ハリケーン「イアン」による被害状況のうち、約84%の精度で検出することに成功したという。

その検出方法はハリケーンや竜巻による自然災害は多くの場合、家や地面、水など、光がどのように反射するかが変化することから、これら被害地域の検出は地表のスペクトル変化に依存しており、災害前と災害後のスペクトル変化を比較し、湿気や明るさ、物理的な変化などから、AIが自動的にマッピングする仕組みとなっている。

今後はリアルタイムのモニタリング

近年、洪水を伴う強い嵐が世界的に増加していることから、このような災害状況の監視システムは重要性を増しています。

コネチカット大学の教授らは、CONUS Disturbance Watcherが災害後の衛星画像を常に最新の状態で取得し、ほぼリアルタイムで災害状況を監視できるシステムの構築に取り組んでいる。

 

CONUS Disturbance Watcher Webサイト

ARTICLE

アイコン

AIの記事一覧